死亡原因第一位のガン、現在、ガンが主原因で亡くなる方は年間で約40万人にのぼる。
1日に約1100人の方がガンで亡くなっている。
まさにガン大国日本、未だに増え続けている。
この現状を皆さんはどう感じ、どう捉えているだろうか。
当健康相談所にはこれまでに100人以上の方が健康相談に訪れた。
そのうち約8割の方がガン闘病中の方からのご相談である。
残りの2割は、認知症、精神疾患、膠原病などの相談である。
病気はともかく、共通して言えることは、ほぼ全員病院での対症療法に頼らざるを得ないということである。
もちろん悪いことでは無い。必要なことであると思う。
しかしながら、良くよく考えて頂きたい。
多くの方は、体調が悪くなった時、病気になった時、必ずと言っていいほど病院へ行くであろう。
では、なぜ、病院へ行くのでしょう?
多くの方は、「治りたいから」「治療したいから」などと言うでしょう。
では皆さんの周りで病院へ行って病気が治った方は何人いるだろう・・
当然、風邪などの感染症や打撲や骨折などの話ではなく、いわゆる生活習慣病と言われる病気で、病院へ通って治った方である。
私の答えは、「病院は治しに行くところではない」が答えである。
病院は、「検査、診断、処方、一部治療」するところであり、病気を治すのは自分自身であり、自分自身の力(治癒力)であることを是非とも覚えておいて頂きたい。
その治癒力を高めるために、どこが悪いのか、何が原因なのか、何という病気なのか、そして症状を抑えるための対症療法には病院は必要であり、当然薬も時には必要であろう。ここは十分に理解しておいて頂きたいところである。
糖尿病を例にとってみてみよう。
体調が悪いな、怠いな、と思いつつ病院へ行って検査すると、血糖値が高く、そしてHbA1cも高かった。診断は糖尿病。それだけでなく、血圧も高く、中性脂肪も高かった。
結局、糖尿病の薬と降圧剤、中性脂肪を下げる薬を処方された。そして1ヶ月後に再受診の予約を取り帰宅。
1ヶ月後、再受診し検査をした結果、「検査値は落ちついていますね。このまま続けて行きましょう。また1ヶ月後に来てください」と言われた。
いつになったら治るのだろう・・糖尿病のみならず、実は高血圧症、高脂血症はどんどんと深みに入り、一生治らない病気へと進行していく。
もう治りました、もう来なくてもいいです!とは絶対にならない。
ここで治し方を伝授したいが、そう簡単にはいかない。
なぜなら、人によって食べ物が違えば環境も違う。人によって千差万別。ゆえに対処方法も千差万別であって当たり前だからである。
ただ言えるのは、薬に頼り続ける限り、一生、薬付けになるということ。つまり一生病院に通い続けることになるということ。
もう一つ、ガンについてお話ししたい。
日本の医療は世界においてもトップクラスに優れている。
ガンの治療においても世界一であろう。
それにも関わらず、ガンの死亡者数は年々増え続けている。
こんなにも治療方法が多岐にわたって新しく開発されていても未だに増え続けている。
なぜなんだろう・・・そう思う方も多いはず。
前述した私の答えを思い出して欲しい。病院は治すところでは無い・・・
そして、詳しくは申し上げられないが、先制医療、予防医療、先進医療、これらトータル的に考えると答えが出てくる。
日本は標準治療が主流であり、ほとんどの患者さんはこの標準治療を受けることになる。
私たちは、これだけでは無く、標準治療に併用してその人に合った治療方法を見つけ出していくことを提案している。
時にはガンと共存しながら、目指す人生を全うする、寝たきり人生ではなく、ピンコロリ人生、私たちの願いである。
以下、コラム
夢である「若返り」、それは可能なのだろうか?
ここ最近、各メーカーから発売されている若返りの化粧品やサプリメント、大変に興味深い話である。
その根拠はどこにあるのだろうか・・?
最新の遺伝子サイエンスの根底を分子レベルで紐を解いてみたい。
以前、ある番組で長寿遺伝子をオンにさせる方法が放映されていた。
赤ワインに含まれている赤い色素の一つレスベラトロールという成分が長寿遺伝子サーチュインをオンにするというのである。
長寿遺伝子は現在数十種類見つかっているにも関わらず番組では一つの遺伝子をターゲットとした内容である。
その一つの遺伝子がオンになれば長寿になるというのであるが、これだけで寿命が延びるというのは些か疑問である。
昔からカロリー制限をすると寿命が延びることはわかっていたが、それはサーチュインという遺伝子一つだけがオンになるためではない。
寿命が延びるには長寿に関する遺伝子群が調整されること、そして、健康寿命が延びること、つまり、病気にならないこと(予防すること)、あるいは病気を治療し寛解もしくは悪化予防できることが前提にある。
その点を全く議論せずに長寿を語るのは憶測もいいところだろう。
科学的根拠をいいように自分の解釈で理論付けしているに過ぎない。
またこんな話をよく聞く。
最近、サプリメントを飲んで病気が治ったという。
なかには病院の治療で治らなかった末期ガンがサプリメントのお陰で治ったという人がいる。それはどうしてなのだろう?
科学で証明できない事実も実際におきているのは確かだ。
もしガンになったら、手術が必要な場合は別として、病院に行って抗がん剤による治療を行いますか? それとも、医者に頼らず、たとえばサプリメントなどを試しますか?
怖い話だが、命もすがる思いでサプリメントを試す方も多いと思う。
私の答えはN Oである。
その人に合った方法を選ぶべきだからである。それは一つの方法だけでは無いはずだ。
分子栄養学をこの世に広く知らしめた先駆者の一人故三石巌先生は、対症療法では病気は治らないと言っている。
また、安保徹先生をはじめ多くの代替医療を推奨している先生方は、対症療法では1割しか病気を治せず、9割は悪化させるとまでいっている。
自己免疫力こそが病気を治すものであり、医薬品は症状を抑えるに過ぎない。まさに分子栄養学を基本とした代謝の賦活と遺伝子サイエンスからなる免疫の賦活そのものであるように私は思う。
現代の日本の医学は進歩したといわれるが、それは医学の学問ではなく、医学に利活用されるテクノロジーが進歩しているのである。
今や、エピジェネティックコントロール技術が若返りを可能とし、ガンをはじめとする生活習慣病を治療することは可能となるであろう。
私のライフワークの一つ若返り研究も今や可能な時代に入ってきた。
近い将来、若返り技術は、美容だけではなく、ガンの治療方法に大きな担い手になっていることは間違いない。
病気で困っている多くの方の参考に、何か一つヒントになって頂けたら幸いである。
薬学博士 宮崎 浩之